ソニーは、同社調べでは世界で初めてとなる、単一のMIPI(Mobile Industry Processor Interface)入力ポートに対して、独自のデータ送信技術により複数接続を可能とするインターフェースを搭載した、センシング向けグローバルシャッター機能搭載CMOSイメージセンサー「IMX418」を商品化した。
このインターフェースは、MIPI規格に準拠したデータ送信が可能であり、既存のアプリケーションプロセッサー(以下、AP)で受信できる。
イメージセンサーから取得した情報を元に、自己位置推定と環境地図作成を同時に行うSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)や障害物検知を使用する、ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)、ドローン、自律走行ロボットなど、複数のイメージセンサーの搭載が想定される機器での採用を見込んでいる。
イメージセンサーとその撮影画像を処理するAPは、通常、インターフェースの標準規格であるMIPIで接続し、イメージセンサーの数だけAPのMIPI入力ポートが必要になる。複数のセンシング用イメージセンサーを機器に搭載する場合、配線数増加によるフレキシブルプリント基板のデザイン、APのMIPI入力ポートなどに制約があった。
今回発表した商品は、同一配線上に接続された複数のイメージセンサーを同時露光して撮影したデータを、順番にAPの1つのMIPI入力ポートへ転送するインターフェースを搭載。それにより、配線数が削減できるだけでなく、MIPI入力ポート数以上のイメージセンサーを接続することが可能となる。
また、主に産業機器向けに市場導入しているグローバルシャッター機能を搭載したCMOSイメージセンサーと比べて、移動体向けに低電圧で駆動することで低消費電力化し、移動体向けのグローバルのシャッター機能を実現している。
サンプル価格(税別)は1500円(チップ)、2000円(チップサイズパッケージ)となっている。