実証実験は、経済産業省および国土交通省の2018年度「高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業:専用空間における自動走行などを活用した端末交通システムの社会実装に向けた実証」事業にて実施されている。各社が実装する自動運転支援の技術の有効性をそれぞれ検証している。
一つ目が、コイル電工が開発した街路灯センサーを用いた路側での歩行者検知の実証だ。実証は日立BRTの歩車分離のバス専用道区間にて路側に設置したセンサーで人を検知し、専用道区間を横断しようとする歩行者を事前に車両側に通知する。今回は、環境要因による検知精度の検証、適切な通知タイミングの検証などを行う。この取り組みが実現すれば、将来的には路側からの人の飛び出しによるバスの急ブレーキによる車内転倒事故防止など、安全性を高めることになるという。
もう一つが、将来の自動運転バスサービスの提供を想定した一般市民向けの実証実験だ。は将来のバスの自動運転化を見据え、ルート検索、チケット購入、タッチレス乗車など、サービス体験の変化を実際に利用者に感じてもらうことで、サービス提供における課題抽出と改善策の検討に役立てる。専用のスマートフォンとアプリを準備し、自動運転実証に合わせたサービスを提供していく。
実証のバス車内でのタッチレス乗車体験は、ヤマハ株式会社が開発し、SoundUD 推進コンソーシアムが提供する技術をチケット認証用に日本で初めて活用した事例になる。バス車内に設置したスピーカーから、認証用の音声トリガー(音波)を再生し、手元のスマートフォンアプリで音を拾うことで乗車確認を行う。下車時には音を拾わなくなることで下車を判断する。
サービス体験では自動運転バスへの乗車前決済を想定し、バス停でのQRコードによる決済体験も提供。2018年2月にみちのりグループの会津バスにて試験導入しているスマートバス停を活用し、電子ペーパー部分に決済用のQRコードを表示することで、バス乗車前のバス停で事前決済する仕組みを体験できる。スマートバス停は、大甕駅前バス停とおさかなセンターバス停の2カ所に実証期間中のみ設置される予定。