100万人分の健診データから、生活習慣病をAI予測

食習慣、運動習慣、喫煙、飲酒について、巷ではとかく話題となり、日本政府や自治体、企業なども課題解決に挑んでいる。近年、健康診断やレセプトなどの健康関連データにデジタル技術を活用した分析による、健康経営推進に向けたさまざまな予防・健康づくりの取組みが行われている。


とりわけ生活習慣病は、医療費の増大や企業における従業員の生産性低下などをもたらすことから、発症リスクの把握と予防によって個人の生活習慣の改善や健康増進を図ることが課題とされている、という。SOMPOホールディングス、SOMPOヘルスサポート、東芝、東芝デジタルソリューションズの4社は共同で、SOMPOホールディングスグループのヘルスケアサービスについてのノウハウと、東芝グループのAI・ビッグデータ解析技術とを融合させ、生活習慣病リスクを予測する人工知能を開発した。

糖尿病、高血圧症、脂質異常症の罹患リスクを予測する。今回のAIは、約500の健康保険組合に対して特定保健指導を行うノウハウおよび顧客ネットワークと、産業分野で培ってきたビッグデータ解析技術や、国内外の大学などと共同研究してきたヘルスケアデータマイニング技術に関する知見とを応用して、研究協力機関などの約100万人分の最長8年の健診データをもとに共同開発したという。

両グループは、生活習慣病リスク予測AIの精度向上に加えて、食生活や運動習慣改善などの行動変容を促すためのソリューション開発を進めていて、'18年度中に健康保険組合における特定保健指導などで実証実験を開始する。また、糖尿病発症後の重症化を予防するための健康指導などのサービスに向けたアルゴリズム開発のほか、対象となる生活習慣病の範囲拡大に向けたAI開発・強化を目指す。

さらに業界の垣根を超えた新たなパートナーとの連携や、ヘルスケアデータを活用した新規事業創出にも取り組んでいく構えだ。