関西電力と三菱日立パワーシステムズ(以下、MHPS)は、AI(人工知能)を活用した国内外の火力発電所向け運用高度化サービスを協働で開発することで基本合意書を締結しました。また、ボイラー燃焼調整の最適化システムを構築し、2018年度中には関西電力が保有する舞鶴発電所にて実証試験を実施することを目指す。
関西電力とMHPSは、舞鶴発電所一号機にてシステムの実証試験を実施してきた。今回、実証試験の条件下において燃料使用量等の削減により、年間1億円程度の運転費用削減効果が期待できるとの結果が出た。
これらは、発電所の運転データと機械学習等のAI技術を用いてコンピュータ上にデジタルツインを構築。燃焼用空気の噴射方法などの運転条件を変更した際の影響を検証し、その検証結果を実際の発電所に適用することで舞鶴発電所の運用効率化につなげるもの。
また、発電所運用の中で想定される多様な運転状態の効率化制御に対して、このシステムの有用性を確認する。さらに、実用化に向けた制御システム構築および実証試験を行う計画で、これが新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として採択された。
関西電力は、「K-VaCS(ケイバックス)」として提供している火力発電に係るエンジニアリングサービスのコンテンツ拡充に向け、またMHPSは「MHPS-TOMONI」による稼働率・経済性向上などに向け、今後も付加価値の高い新たな商品・サービスの開発を目指す。
両社は引き続き、それぞれの知見を活かし、最新のIoTやAI技術を駆使した火力発電所向け運用高度化サービスの開発を通じて事業拡大を図るとともに、社会インフラの高度化に貢献していく考え。