老朽化が進むインフラの効率的な維持管理を支援する共同研究開発

日本ユニシスと日本海コンサルタントは、日本ユニシスグループが提供するIoTビジネスプラットフォーム、AI(人工知能)技術を活用した橋梁の劣化要因・健全性判定支援システムの2018年度共同研究開発を開始した。2年目となる共同開発では、判定精度向上の研究を継続してシステム強化を図り、2019年度の実用化を目指す。


老朽化が進むインフラの効率的な維持管理・更新の早急な対応が求められている中、全国で約70万橋ある橋梁の点検に膨大な労力とコストが発生している。また、点検結果の判定は、技術図書等による定型化はなされているものの、その判断は専門技術者に委ねられるため、技術者により判定結果にバラツキが生じることや、省力化が図られにくいため点検の専門技術者不足も、大きな問題となっている。

共同研究開発は、AIの画像認識技術により、点検写真などから劣化要因や健全性を自動判定することで、「専門技術者の省力化」「劣化要因・健全性判定精度の確保・向上」を図るとともに、地方の劣化特性を踏まえた「汎用性の高いシステムの実現」を目指すもの。

AI技術を用いて点検写真画像などから劣化要因および健全性を自動的に判定することで、「判定結果の精度向上」と「技術者の省力化」を実現することが可能になる。また、判定作業を自動化することで、橋梁点検業務において、劣化判定時間を短縮し点検技術者の時間の有効活用が可能となり、生産性向上が期待できる。

また、判定結果の精度向上やバラツキの低減だけでなく、劣化損傷箇所の見落とし防止や、橋梁・コンクリート以外の材質、港湾、河川、建築物などの構造物への適用の拡大も期待できるという。