ハイブリッド環境を含むネットワークの障害影響確認や運用自動化へ

TISとフィックスポイントは、「標準トポロジモデルを応用したネットワーク構成の可視化に関する研究」(以下、同研究)を共同で開始することを発表した。ハイブリッド環境を含むネットワークの障害影響確認や運用自動化への応用を目指す。


ネットワーク図は、機器・機能間の関係性やシステム全体の構造を把握するためにネットワーク運用業務には必須のドキュメントだが、「図(絵)」として手作業で記述するのがこれまで一般的だった。そのため、「人がネットワーク図を見ながら手順や設定を作成し、システム構成や図ごとに異なる記載ポリシーに合わせて作成・更新する」「図を読み取って操作を書き起こす」などの作業が業務上のボトルネックになっていた。

また、システムの高機能化や大規模化でインフラ構成が複雑化しており、一つのネットワーク構成に対して、必要な範囲や観点に基づいて分割された複数の図をメンテナンスする必要があり、複雑な図から作業に必要な情報を読み取ることがますます難しくなっている。

さらに、既存のネットワーク可視化ソフトウェアなどでは「特定の製品やプロトコルが利用可能な範囲に限定される」「独自のデータ形式のため他のソリューションとの柔軟な連携が難しい」などの課題があった。

同研究は、TISのネットワーク運用自動化やシステムモデリングに関する技術研究と、フィックスポイントのシステム構成自動収集サービス「Kompira cloud Sonar (以下、Kc Sonar)」を組み合わせ、従来困難であった複雑なネットワークの障害影響確認や、構成情報の自動化への応用を目指す研究プロジェクトだ。

共同研究を通じてクラウドおよびオンプレミスのシステムのネットワーク構成情報を自動的に管理し、複数のシステム・複数のレイヤーにまたがる管理情報を集約・可視化していくことで、これまでの人が図を読み取っていた運用業務の効率化を目指す。

TISとフィックスポイントは、同研究で開発する可視化・分析ツールをオープンソースソフトウェア(OSS)化し、第三者による評価・改善、新しいユースケース応用やそのためのツール開発ができるようにする。

検討した応用方法などをさらに公開することで、ネットワークのシステム構成情報モデルがより洗練され、様々なツールや応用事例が集まり、エコシステムが形成されていくことを目指す。ネットワークトポロジーの可視化・分析ツールのOSSは2019年6月ごろにGitHubでの公開を予定している。