ルネサス、ハイエンド3Dクラスタ用「R-Car E3」を発表

ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は、大型ディスプレイを使用したハイエンドな3Dグラフィックスクラスタを実現する車載情報システム用SoC(System On Chip)「R-Car E3」を開発してサンプル出荷を開始した。

R-Car E3は、あらゆる車種のクラスタに対するデジタル化、大型化のニーズの高まりに応えて、従来の3Dクラスタ向け「R-Car D3」の上位モデルとして、3Dグラフィックス描画性能を向上した。

クラスタ用としては最大クラスの12.3型、1920×720画素の大型ディスプレイにスムーズに3D表示が可能。また、コネクテッドカーが主流となる中で、クラスタには外部環境や安全に関する情報をドライバに適切に表示する「HMI(Human Machine Interface)」としての役割が高まっていることから、機能安全やセキュリティ機能を強化。これにより、故障やサイバー攻撃にも安全に対処できる堅牢なシステムを開発できるようになるという。

さらに、R-Car E3はクラスタ用としてだけでなく、ディスプレイオーディオやIVI(In Vehicle Infortainment)システムも1チップで駆動できるよう、Audio DSPなどの周辺機能を搭載。これにより、各々のシステムを統合可能になり、システムコストやスペースを削減できる。

また、R-Car E3は、よりハイエンドな統合コクピットに適した「R-Car H3」、「R-Car M3」ならびにクラスタ用の「R-Car D3」とスケーラビリティがあるため、ソフトウェア資産の流用が可能。

ルネサスのクラスタ分野で実績のあるパートナ各社によるOSやHMIツールの提供、システムインテグレーションサポートにより、今後、統合システムやフルグラフィックス化の普及が期待されるエントリークラス車からプレミアムクラスの車まで、幅広い車種へのソフトウェアの展開や開発負荷の低減が実現可能だとルネサスは説明する。