体調センシングウェアを用いた法人向けサービスがアプリに進化

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」時代に人も企業も情報につながる。そして働き方を変えたり、従業員の健康を軸に経営したりすることが可能となる。スマホやタブレットなどモバイル端末の活用シーンがますます広がっていて、ウェアラブルデバイスとの各種連携も期待されている。


今から遡ること2年、'16年夏に、東レは生体情報センシング布地を活用した安全管理IoTシステム「hitoe® 作業者みまもりサービス」を発表。以来、実証実験やサービス提供を通して、改めて従業員の体調管理、安全確保に対して高いニーズがあることが確認できた一方、様々な利用環境において多種多様なニーズのあることが分かったという。

同社はウェア型の生体センサを利用して、平常時と異なる心拍の検出により体調変化の可能性を知らせる新たな「hitoe® みまもりアプリ」を開発。これを作業者みまもりサービスのラインナップに加えることを今月17日に発表した。アプリはテスト運用を経て、来年1月から提供される予定だ。

企業・団体が従業員の体調管理、安全確保を効率的に行える、生体センサを用いることで、平均心拍数、瞬時心拍数、消費エネルギー、リラックス度を測定・推定し、その情報を可視化する。今回のシステムでは、個人の基準値を活動時と安静時に分けて設定――事前に勤務時間と同じ長さ着用して得た、心拍数と加速度センサのデータも使って各人の閾値を設定するので、よりその人に合った通知が可能となる。

アプリに表示される「消費エネルギー」は勤務中のそれをスポーツとした場合の時間やイメージ。「リラックス度」は色と形でわかりやすく、リラックスする呼吸法のコーチング機能もある。さらに、監督者や使用者自身が積極的に分析や管理を行いたいニーズに備えて、実測データを蓄積可能としている。東レは、この蓄積データを用いて作業分析等ができる解析ツールの開発を検討中だという。