複数の業務ロボット同士、環境や人とも連携するしくみの実現に向けて

少子高齢化による労働力の不足など様々な社会課題の解決をめざす日本では今、24時間365日休まずに作業可能なサービスロボットが、人の一部業務を代行・分担することへの期待が高まっている。非製造分野のロボット国内生産市場規模は、2020年に1.2兆円になるだろうという。

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今年6月に政府が示した「未来投資戦略2018」のデータ引用しつつ――。しかし安価で汎用性のあるロボットが少なく、統合等のコストも高額のためその活用は進んでおらず、サービスロボットを人の代わりに業務プロセスに組み込んで活用する方法は十分に実践されていないのが現状だという。TISは今月16日、業務の一部をサービスロボットが代行・分担する環境を実現する「サービスロボットインテグレーション事業」を提供すると発表した。

同事業では、複数のサービスロボットを統合的に管理し、複数のロボット同士やセンサーなどの環境や人を含めた相互連携を実現する、FIWAREベースのSaaSプラットフォーム「RoboticBase」と、これに関連するインテグレーションサービスを提供。業務・環境に適応させた新ロボットを追加する標準的なインタフェースを用意し、ロボットと設備に配置されたカメラやIoTデバイスとのリアルタイムなデータ連携、官民のオープンデータ(災害アラートなど)との連携も可能にする。

今秋中にβ版を開発し、来春を目途に正式版を公開する予定だという「RoboticBase」の構築では、ゼネコン、デベロッパー、ビルメンテナンス企業などとの協業準備を進めている。TISは、今回の「サービスロボットインテグレーション事業」について、まずは警備や案内、運搬、清掃などの業務代行ニーズがあるビルメンテナンス市場向けに展開。段階的に適応市場を広げながら、関連ビジネスで'23年度までに40億円を売上げ、'26年度には110億円規模へと事業拡大する構えだ。