データ解析サービスに投入データに含まれない隠れた要因を推測する技術を実装

電通国際情報サービス(ISID)、ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)およびクウジットは、3社が共同で事業展開する人工知能(AI)技術による大規模データ解析サービス「CALC(カルク)」に新機能を搭載して提供を開始した。投入データに含まれない隠れた要因を推測する技術を実装した。


3社は、ソニーCSLが開発した独自のAI技術であるCALCを2017年5月に製品化し、解析ツール、データ分析、コンサルティングなどを含む統合的なサービスとして提供している。

CALCは、従来の解析手法では推定が難しいデータ内関係因子における直接的な要因・原因を抽出することが可能な技術だ。これまでに、自動車や精密機械、重工業、化学、サービスなどの業界において、品質改善や顧客満足度、マーケティング、人事など様々な領域で問題の予防や改善などの施策検討に活用されている。

今回、3社はさらに開発を進め、投入データに含まれない隠れた要因の存在と、それがどこにあるかを推測する機能を新たに追加した。

大規模データ解析では、求める結果に対して投入データが必要十分か否かを判別しづらいことが課題とされている。追加機能の活用により、分析結果に影響を与える重要なデータが不足しているかどうか、どこに不足する要因があるかを知ることができると説明する。これにより、追加すべきデータを推定し、それを収集するための施策を検討するなど、効果的なPDCAサイクルを確立できるという。

また、データ中の欠損レコードを自動処理する機能や、重要な複数要因の組み合わせを自動抽出する機能、スマートなダッシュボード機能など、大規模データ解析の効率化を支援する各種機能を新たに搭載した。

3社は今後、CALCのさらなる機能拡充を図り、幅広い領域でAIの実務適用を加速させることにより、顧客企業や社会の課題解決に貢献していきたい考え。