ドラレコ動画をAI解析、道沿いの視覚情報をテキスト化し――

車両が衝撃を受けた前後十数秒間の映像と音声を自動記録する、GPS信号による時刻・位置の記録データが事故原因の究明に役立つ、運転者の特性を把握でき、運転技術と安全意識の向上につながる装置「ドライブレコーダー」が昨今人気だ。


装置の解説はJAFのWebサイトにあり、JAFメディアワークスなどによる最近の調査では、自家用乗用車のドライブレコーダー設置率は10~15%。商用車では80%に迫る勢いとなっていて、近ごろの事件報道などにより、自家用車での普及率アップが見込まれる。レコーダーはドライバーが自らを守る以外にも、他者や町を見守る眼としての役割も期待されつつある。今月15日、ヤフーが新たな試みを発表した。

同社は、同日より来年3月末まで、東京23区内(予定)において、ドライブレコーダーからの動画データをAI(人工知能)で解析し、ガソリン価格や駐車場の満空情報など、道路沿いの視覚情報をテキスト化する実証実験を行う。動画データの解析前に、ナンバープレートや歩行者画像などにマスキング処理等を施し、解析後には収集データおよびその複製・編集データをすべて破棄し、生活者のプライバシーにも最大限配慮するという。

アスクルロジスト社の配送用車両を用いて行う今回の実験では、異なる事業者のガソリン価格や満空情報を網羅的かつ高頻度に収集することを目指し、解析したデータの有用性を検証する。さらに、テキスト化できる視覚情報だけでなく、渋滞や事故、レストランの行列状況など、ドライブレコーダーの動画データを解析してわかるあらゆる地域情報の活用可能性も探るという。

試験対象車両は最初に10台程度、11月上旬から130台を予定している。動画データのAI解析により得られる情報の活用方法として、スマホアプリの「Yahoo! MAP」や「Yahoo!カーナビ」など、地域情報を提供する自社サービスを想定しているという。