訪日客向けに新たな電子ウォレット、少額の両替・コンビニで引出しも

訪日外国人旅客いわゆるインバウンドを4,000万人にする。目標を定めた日本は現在、キャッシュレス後進国だ。


2020年に8兆円分のモノゴト消費を訪日客にして欲しい。ならば屋台での支払いさえキャッシュレスの東アジアや東南アジアの国々からの客に、まず母国並みの利便性を提供すべきだろう。日本政府観光局(JNTO)の'17年統計によると、訪日外客数は1位中国(約740万人)、2位韓国(約710万人)、3位台湾、4位香港、5位米国、6位のタイに続いて、豪州、マレーシア、フィリピン、シンガポールが40~50万人となっている。

上位4ヶ国・地域の傾向は今年8月統計でも変わらない。そして今月11日、海外送⾦サービス「PayForex」を運営する資⾦移動業者(関東財務局⻑第00010号)のクイーンビーキャピタルは、ローソンおよびナチュラルローソン(一部店舗を除く)に設置してあるマルチメディア端末「Loppi」を活用し、自国の電子ウォレット経由でレジにて「円の受取」を可能にした日本初の訪日観光客向けサービス「PayForex Cash」を開始する。

同サービスの第1弾では、昨年約223万人が訪日した香港のスタートアップ企業「TNG FinTech Group」の電子ウォレットサービス「TNG Wallet」利⽤者向けに、アプリ内の両替操作で得たQRコード(デンソーウェーブ商標)をLoppiにかざして発券したバーコード入りペーパーにて、1万円未満/回の資金を受け取れるようにした。

訪⽇客は滞在中、⼤量の現⾦を⽇本円に替える労力や両替所探しの時間を費やしていて、本来の目的である観光の時間を短くしてしまっている。近年は「旅⾏の個⼈化」、「滞在の⻑期化」、「リピート率の⾼さ」などから地方へ向かう客が増加していて、そこでは尚更現⾦の利⽤頻度が高く、少額をどこでも簡単に替えられるサービスへのニーズは大だという。