横浜市、行きたい観光地に行けるオンデマンド運行バスの実証実験を開始

NTTドコモ(ドコモ)と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、横浜市と共同で、横浜MaaS「AI運行バス」実証実験を開始する。スマートフォンで観光施設、グルメスポットやイベント情報を検索でき、ダイレクトに移動できるオンデマンド乗合交通を一般モニターが体験できる実証実験。


実証実験では、リアルタイムで最適な車両・ルートを導き出すAI配車機能に加え、店舗・商業施設がブログ感覚で、施設情報の告知や集客のためのクーポンをリアルタイムに利用者に伝える情報配信機能を統合し、MaaSプラットフォームへ進化させたバスを運行。また、250を超える観光・グルメ・アミューズメントなどの商業施設との連携により、エリア内の回遊性向上の効果を検証する。

観光や生活における多様な移動の社会課題の解決には、便利かつ効率的な移動手段の提供が必要であり、近年、鉄道やバスなどの異なる移動手段を統合し提供するMaaS(Mobility as a Service)が課題解決につながるとして注目されている。

この実証実験は、移動手段に加え、商業施設のサービスをMaaSプラットフォームとして統合することで、交通と商業施設の連携を促し、交通需要増大および商業施設の売上向上につなげ、結果として、移動の社会課題解決を狙う計画。

NEDOは、AIの社会実装の実現に向けた研究開発プロジェクトを2018年度から開始した。AI運行バスの運行は、そのプロジェクトの一環である「人工知能技術を用いた便利・快適で効率的なオンデマンド乗合型交通の実現」の実証実験として実施するものだ。

また、横浜市では、AI・IoTなどにより新ビジネス創出を促進する「I・TOP 横浜」の取り組みにて、まちの回遊性向上ならびに商業施設への送客効果による経済の活性化、賑わいの創出を目指す「まちの回遊性向上プロジェクト」を立ち上げた。実証実験はこのプロジェクトの一つとして実施する。

ドコモは、今後もAI・IoTにより、未来の移動需要を見える化し、様々な移動手段の効率的運行による交通全体の最適化と、移動×サービスによる新たなビジネスの創出により、移動の社会課題の解決、利便性の向上、地域経済の活性化に貢献していく考え。