AIと会話しながらMR空間で作業に没頭する

人工的な世界へ没入する仮想現実(VR)、スマホアプリでカメラ映像の中に2次元キャラなどを表示する拡張現実(AR)。これらに加えて近年、手術室などの現実空間に3次元の物体を映し、それを様々な角度から観察したり操作したりする複合現実(MR)が実用化されつつある。


世界各国では社会、医療・ヘルスケアおよび産業界に「デジタル変革」が起こっていて、経産省が「第4次産業革命」を推進する日本は、第5期科学技術基本計画に基づくデータ駆動型の、仮想空間と現実空間を高度に融合させたシステムにより経済発展と社会的課題の解決を両立する「超スマート社会(Society5.0)」の実現を目指している。

建築や不動産、医療など幅広い業界において、MRの導入が進んでいるという。ネクストスケープNTT Comは、ヘッドマウント型のMRデバイス「Microsoft HoloLens」と、対話型自然言語解析AIエンジン「Communication Engine "COTOHA® Virtual Assistant"」を連携させたMRソリューションの提供を、今月4日に開始した。

ビジネスの現場におけるより実用的なMRの活用を推進する。同ソリューションでは、「Microsoft HoloLens」を装着した作業者が、「COTOHA VA」に語りかけることで、作業に必要な情報をAIから聞き出すことができる。AIの発話内容や補足情報を「Microsoft HoloLens」上のディスプレイに表示可能であり、「COTOHA VA」はさまざまな業務システムとの接続が可能なため、メールやスケジュールの情報を参照することもできる。

音声によるAIへの指示、AIとの会話によって、作業者はハンズフリーで業務に集中することができ、作業効率の大幅な改善や、キーボードが使えない環境でのICT(情報通信技術)リソースの活用が可能になるという。