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行政の"マイナポータル"、民間サービス利用の"私書箱"に
行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平公正な社会を実現する。そのための社会基盤「マイナンバー(社会保障・税番号制度)」の利用率は?――。カードは作ったけれど、マイナンバー自体使う機会がほぼ皆無という人も多そうだ。
日本では一昨年末に「官民データ活用推進基本法」が成立し、データ流通環境の整備や行政手続のオンライン利用の原則化など、官民データの活用に資する各種施策の推進が政府の取り組みとして義務付けられた。そして政府は今、同法および昨年5月の策定方針に示されたことを具体化する「デジタル・ガバメント実行計画」を進めていて、国民へのサービスをオンラインでする「マイナポータル」を運営中だ。
マイナポータルでは、地方公共団体における「子育てワンストップサービス」のほかに、「もっとつながる」外部サイトとの連携、ペイジーやクレジットカードでの「公金決済サービス」や、行政機関からの知らせも民間のしくみで受け取れる「民間送達サービスとの連携」などがサービスメニューに挙げられている。そして9月28日、NRIは、民間送達サービスとして「e-私書箱」の提供を開始した。
e-私書箱では、民間企業がこれと認証連携を行うことで、金融機関の取引報告書、保険料控除証明書、クレジットカードの支払明細書、携帯電話利用料や公共料金の領収明細書、企業の給与明細書等、厳格に個人を特定して送るべき情報を届けられる。さらに今年10月「子育てワンストップサービス」の開始後、保育所の入所申請とそれに必要な就労証明書の発行について電子化が推進されていく。
マイナポータル利用会社の第1号として、NRIは、社員の就労証明書発行の電子化を開始する予定であり、e-私書箱の提供を通じて、民間企業や個人の同ポータル活用を支援促進し、企業の業務効率化と生活の利便性向上、さらにデジタル化による安全で便利な経済社会の実現に貢献していく考えだ。