LINEのAIチャットで効果的な災害対応を支援

防災科学技術研究所(防災科研)は、LINEと、防災・減災分野においてインターネット・AI(人工知能)技術を積極的に活用することで、災害対応能力の高い社会を構築することを目的に「インターネット・AI技術を活用した防災・減災に向けた連携協力に関する協定」を締結した。


今回の協定では、国民生活に身近なインターネット、AIを積極活用することによる防災・減災の実現を目指して、共同での各種研究やシステムの開発、防災訓練の実施などを予定している。

協定に基づき、新たに開設するLINEの防災向けAIチャットボットアカウントを活用して発災時の情報を収集する。府省庁連携防災情報共有システム「SIP4D」の組織同士がつながる情報共有・統合技術と連携させることで、災害状況を迅速に把握・伝達し、効果的な災害対応を支援する仕組みの実現に向けて取り組む。

また、情報通信研究機構(NICT)ユニバーサルコミュニケーション研究所が開発している「対災害SNS情報分析システム(DISAANA)」や「災害状況要約システム(D-SUMM)」とも連携させ、TwitterなどのSNSの情報も併せて活用することで、より正確かつ高度な仕組みを目指すという。

さらに、被災者向けには当該アカウントへの情報の正確性の確認や問い合わせに対して、正しい情報を対話形式で自動的に回答する機能の開発も予定している。両者は、共同で防災訓練などを行い、得られた知見を調査・分析することで、より良い仕組みの構築とともにイノベーションの創出へとつなげていきたい考え。