OSやCPUを使用せずソフトウェアによる脆弱性リスクを完全に排除

富士通アドバンストエンジニアリングは、外部ネットワークから侵入不可能なデータダイオードをOSレスで実現する通信制御モジュールを開発した。


国際的に重要インフラ/社会インフラなどの制御システムのIoT化が進んでいる。従来、このような制御システムは外部とは接続されないクローズした環境にあり、サイバー攻撃を受け難いと考えられていた。

しかし、IoTの進展に伴い、汎用OSや標準プロトコルの採用による外部ネットワークとの接続が主流となりサイバー攻撃を受ける危険性が高まっている。海外では石油プラントや核施設などが大きな被害を受けた事例もあり、日本でも2020年の東京オリンピックを前にサイバー攻撃の急増が懸念されている。

その対策として、広く使われているのがファイアウォールだが、現実には設定の抜け道をくぐって侵入されており、破られてはセキュリティパッチを当てるイタチごっこが続いている。このような状況下で、同社ではソフトウェアの脆弱性リスクがない通信制御モジュールの開発に取り組んだ。

このモジュールは、物理的に制御機器への経路を遮断することで、外部ネットワークからの侵入を100%防止する。国内でも規制化が進む制御システムセキュリティ規制の要求事項を網羅しており、OSやソフトウェアへの攻撃に対する脆弱性リスクを完全に排除できるという。