みずほ情報総研は、2018年4月から2018年8月までの5カ月にわたり、ローソンと共同で、ブロックチェーンを用いた個品管理プラットフォームの概念実証(PoC)を実施した。このプロジェクトはPoCではあるものの、サプライチェーンシステムとしてブロックチェーンを用いた世界でも前例の少ない取り組みだという。
このプロジェクトは、コンビニエンスストアで扱う食品の原材料の調達から配送に至るまでの一連の流れ(サプライチェーン)に関する情報を、ブロックチェーンを用いて集約することで、個品管理プラットフォームの構築を目指したもの。
このプラットフォームの構築により、消費者をはじめ、メーカー、卸・物流事業者、小売業など、コンビニエンスストアのサプライチェーンに関わる全てのステークホルダーは、食品がどこで作られ、どこに運ばれ、どのお店で売られたのか、消費期限はいつかなど、食品の品質に関する情報を、安全かつ手軽に確認できるようになり、生産性改革や安全確保等に活用することが可能になるという。
今回のPoCでは、サプライチェーンのうちメーカー以降をターゲットとし、食品の個品登録、出荷、入荷、販売、廃棄等の情報をブロックチェーン上に登録し、これらの情報を検索する機能の実装までを実現した。一方で、「不正検知」「トランザクション件数等の性能」「情報公開レベルの設定」など実用化に向けた課題の発見に至ったという。今後検証を深め、これらの課題を解決することでプラットフォームの実用化を目指す。
ブロックチェーンは、様々な産業を変革し、社会的課題を解決する技術として期待されている。みずほ情報総研では引き続き、サプライチェーンの安心安全の向上と効率化に取り組んでいくとともに、今後、ブロックチェーンを活用し、様々な社会課題の解決に取り組む考え。