IoT機器の簡単接続を実現するセルラー対応クラウドキット

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」は、各種センサ機器を軸に農業や工業、運輸・流通サービス業の現場、医療・ヘルスケアの分野でも導入が加速している。ゆえに我が社でも――と前のめりになっても事は進まず、つながる仕組みの棚卸し及びつなげる対象の検討から始める必要がある。


ユーザーにIoT機器やシステムを提供するメーカーも同様で、自社のハードウェアやソフトウェアをIoT化するためにはまず技術資産とトレンドを把握し、足りないものは迅速に開発しなければならない。そこで今月26日、組み込み製品開発を加速するRenesas Synergy™を展開するルネサスは、ハードウェアとソフトウェアを含むリファレンスデザインパッケージの「AE-CLOUD2」キットを発表した。

世界中でセルラー接続を容易に評価でき、LPWA(省電力広域)網でのIoTアプリの早期構築が可能になる。同キットは、新たなソフトウェア(SSP v1.5.0)との併用で、IoTセンサデバイスのクラウド接続を4G/LTE Cat-M1およびCat-NB1(NB-IoT)を用いて簡素化。豊富な機能により、アセット追跡、小売・農業モニタリング、スマートシティ、モバイルヘルスケア、産業オートメーション等でのセルラーIoTデバイス開発を加速する。

AE-CLOUD2キットには、「S5D9 MCU」搭載基板と、GPSアンテナ付き3モード・セルラーモデム、Wi-Fi、イーサネットなどの通信機能、照明、マイク、気温、湿度、気圧、大気質、地磁気、加速度、ジャイロスコープなど様々なセンサが搭載されている。そのため、各地域の携帯電話キャリアに対応したSIMカードを挿入するだけでセルラー網にアクセスができる。

世界で通用するエンド2エンドIoTアプリの開発を短期間かつ省資源で実現する。キットは来月、米国で開催のArm TechConにて披露される。