気象/医療データの組み合わせで、ぜん息リスクを表示

日本気象協会とJMDCは、「気象ビッグデータ」と「医療ビッグデータ」を活用した統計解析の結果から、健康的な日常生活の過ごし方を提案する新しいサービス「Health Weather」(ヘルスウェザー)のサービス第1弾として、主に10歳未満のぜん息患者を対象としたスマートフォン向けアプリケーション「ぜんそくリスク予報」を公開した。


市区町村単位の今日と明日の気温変化のポイントを、グラフとコメントで通知する。10日先までの気温変化に対するぜん息発症のリスクを5ランクの指数情報で分かりやすく表示する。

体調や服薬の状況はチャット風のインターフェースでキャラクターと会話しながら記録できる。また、自分の体調を言葉で表現できない子どものために、音声による元気のチェック機能を搭載。お子さまとコミュニケーションしながら体調管理ができる。

開発の背景には、ぜん息患者が年々増大を続けてることにある。ぜん息患者には10歳未満の患者が多く、その他の年代に比べ最大で4倍以上の差がある。子どものぜん息に対する不安を軽減するためにも有益な情報が必要とされている。

また、関連する医療費も増加し続けている。レセプトデータをもとに、ぜん息患者の医療費を調査したところ、重症化した場合、重症化しなかった人に比べ一人当たりの年間医療費が約3.7倍高い。さらに、重症化を予防できた場合、一人当たり年間約10万円の医療費が低減できる可能性があることが分かっている。

日本気象協会とJMDCは、ぜんそくリスク予報を提供することが、患者自身のぜん息発症に対する回避行動や適切なタイミングでの医療機関への受診を考えるきっかけになると考えている。両社は今後も、Health Weatherサービスの充実を図り、サービス利用者の健康への意識向上や行動変容を促し、健康社会の実現を目指していく。