高速なNFV仮想化環境の実現への動作検証

NTTアドバンステクノロジは、コンピュータの処理速度を高めるためのアクセラレータ技術の重要性に着目し、クラウドコンピューティングの基盤を構築するためのソフトウェアである「OpenStack」環境におけるFPGA回路のリソース管理を世界で初めて動作実証したと発表した。


FPGAとは、設計者が手元で変更を行いながら理論回路をプログラミングできるLSIの一種。

動作実証では、OpenStack公式コンポーネントでFPGAを管理。OpenStackからFPGAリソースを認識する。また、NFVアクセラレーション管理基盤として、通信キャリア「AFaaS/FPGAaaS」で活用。VMイメージのようにFPGA回路を管理するアーキテクチャを用いて、将来的にFPGA回路を、VM化を目指す。

昨今、NFVなどの仮想環境において、FPGAのアクセラレータを用いた高速化技術の適用の検討が進んできた。また、仮想化環境の管理にはOpenStackの導入が進んでおり、OpenStackによるFPGAなどのアクセラレータのライフサイクル管理を行う「OpenStack Cyborg」が2018年8月30日のRocky版で正式にリリースされるなど、仮想化環境へのアクセラレータの導入が身近になってきた。

このような状況から、NTT-ATでは、FPGAの重要性に着目し、FPGAの複数の世代やプラットフォームの間で、一貫したAPIを提供するソフトウェア・プログラミング・レイヤー「OPAE」対応FPGAボードを用いたライフサイクル管理をCyborgにより実現できることの動作実証を行い、FPGAのプログラム管理ができることを確認した。同社によると、この動作実証は、世界初となるという。

NTTアドバンステクノロジでは、この技術により、今後FPGAのアクセラレータのプログラム管理ができるようになるため、より高度な仮想化環境がさらに身近になることが期待されると説明する。