日本電気(NEC)は、東京都新宿区における情報セキュリティ強化と新しい区民サービス実現への柔軟かつ俊敏な対応に向けて、「NEC Cloud System」を活用したプライベートクラウド基盤を構築し、2018年4月から本格稼動していることを発表した。
新宿区は「新宿区情報化戦略計画」を定め、次世代の行政サービス創造に向けて、自治体では先駆けて大規模な全庁プライベートクラウド基盤を導入し、情報セキュリティレベルの均質化やICTコスト削減に取り組んできた。今回、さらなる柔軟性・俊敏性の向上と利便性を損なわない高度な情報セキュリティの実現を目的として、基盤を刷新した。
顔認証やファイルの自動暗号化、トレンドマイクロ製品による多層防御、SDN(ソフトウェア定義ネットワーク)を用いた自動防御など、日々の職員の業務プロセスに影響しない手法を用いて、高い情報セキュリティ対策を図る。
これにより、サイバー攻撃を検知した場合にも、攻撃内容の把握や被害の有無の確認が容易になり、分析にかかる情報システム部門の負担を軽減。感染した仮想デスクトップとの通信を自動遮断することで、一次対処の迅速化、被害の局所化が可能となった。
データセンターと庁舎内に設置したプライベートクラウド基盤の相互運用を見据えて、SDNを採用。容易なサーバ再配置やリソース再配分が可能となり、柔軟性と俊敏性が向上したという。これにより、新しい行政サービスの迅速な立ち上げが可能となり、将来、災害時の事業継続性強化のために、バックアップサイトとしてパブリッククラウドを利用するなどマルチクラウド運用が可能な拡張性の高い基盤となっているとNECでは説明する。