カメラは人間の眼と同等の機能を有し、それ以上の役割を果たす。自動緊急ブレーキなどにより事故を未然に防ぎ、ドライバーらに安全と安心を届ける先進運転支援システム(ADAS)が進化しつつあり、自動運転技術の実用化を目前に控えた今、車載カメラの重要性は一層高まっている。
そこで予防安全性能を含む自動車の評価「NCAP」が世界各国(JNCAP/Global NCAP)で行われていて、ルネサスは、路面標示や交通標識、信号等を識別でき、車と歩行者を識別して両者の軌跡を感知し距離を計測することもできる「スマートカメラ」を、NCAP向け安全システム、ADASや自動運転向けに提供している。そして今月18日、新たな取り組みを発表した。
同社は、Renesas autonomy™の一環として、モバイルイメージング技術の世界的リーダーMM Solutionsとの協業により、高性能SoC「R-Car V3M」「R-Car V3H」をベースとした車載用スマートカメラアプリの開発を容易かつ迅速化する、オープンなISP(イメージ・シグナル・プロセッサ)ソリューションの提供を始める。
ISPに精通したユーザはオープンなインタフェースによりISP機能を自らプログラミングすることができる。また、フロントカメラやサラウンドビューカメラなどのカメラアプリ開発時、MMSのAutoCDK活用により、Tier1メーカはR-Car V3x内蔵ISPのセンサ調整やチューニングが容易になる。これにより、競争が厳しい自動車産業において、高い柔軟性と、製品の市場投入にかかる時間短縮を実現する。
R-Car V3M/V3Hの量産は'19年第2四半期、MMSのAutoCDKは今年11月に提供開始予定だという。今回のソリューションは、ソニーのIMX390イメージセンサを使って、ブリュッセルで開催の「AutoSens 2018」にて披露される。