R-Car H3は、統合コクピットやコネクテッドカーに最適な機能と性能を有している。R-Car H3のGPUやVideo/Audio用IPには仮想化機能が搭載されているため、ハイパーバイザによる仮想化が可能であり、複数のOSを完全に独立して安全に動作させることができる。
R-Car H3上のCOQOS HypervisorゲストOSには、Androidの最新バージョンを搭載しており、AndroidベースのIVI(車載インフォテインメント)と、メータなどの安全に関わるインスツルメント・クラスタ機能をLinuxベースで実行可能。
COQOS Hypervisor SDKはR-Car H3のGPUをAndroidとLinuxで共有化し、アプリケーションを複数のディプレイへ自由に表示することができ、多様で柔軟なコックピットシステムを実現する。
オープンシナジーの最新仮想化技術COQOS Hypervisor SDKは、LinuxやAndroidのような多目的OSと、リアルタイムOSやAUTOSARに準拠するソフトウェアも同時に単一のSoCで実行できる、安全で効率的に構築されたハイパーバイザだ。
今回、パロット・フォルシア・オートモーティブが開発したコクピットシステムは、信頼性が求められるインスツルメンツクラスタ機能を、Linuxベースで行っている。ルネサスによると、インスツルメンツクラスタシステムに対して、Linuxは理想的なOSの一つだが、独自にはASILに対応できない。このため、オープンシナジーは、Safe IC Guardを開発したという。
これにより、ゲストOSが独立して動作し、信頼性が求められるOSの安全に関わる情報が正しく表示されているかを検証することが可能。また、COQOS Hypervisor SDKは、すでに「Android P」を含む最新Android OSの動作をテスト済みであり、IVI機能を3つ目のゲストOSとなるAndroid上で動作する。
COQOS Hypervisor SDKは、複数のOS がR-Car H3のGPUを同時に使用したり、複数のディプレイへのアクセスを可能にする。例えば、Android上で起動しているIVIアプリケーションが、Linux上で起動しているインスツルメンツクラスタと、ディスプレイを共有化することが可能だ。
さらに安全性が重要な情報を妨害しないように、スクリーンマネージャがインスツルメンツクラスタ内の画面共有化を管理。また、COQOS Hypervisor SDKは、R-Car H3のArm Cortex R7コアで起動するAUTOSARに準拠するCANゲートウェイにも対応している。これにより車載ネットワークへのシームレスな接続が可能となった。