昨今、至るところにカメラがある。駅や空港、企業や公共施設の保安エリア、道路や河川の状況把握にもカメラ映像が使われていて、映像解析を得意とする人工知能(AI)の活用が、製造現場や物流ライン、医療分野以外でも脚光を浴びている。
今月14日、TISは、AI関連ベンチャー企業を支援する「AI特化コーポレートベンチャーキャピタル」(AI-CVC)から、AIを活用した映像解析プラットフォーム「SCORER」を手掛けるフューチャースタンダード(FS)社に出資したことを発表した。
出資判断が最短1ヶ月程度で行われるうえに、"AI"を軸にした顧客基盤や多様なパートナーとのパイプを持つTISのAIサービス事業部による多面的な支援を受けつつマーケットにアプローチ出来るという。AI-CVCの対象となったFS社は、イメージセンサーと映像処理に特化した様々なソリューション開発を目的に'14年3月に設立された。
そしてSCORERは、環境構築の必要がなく初期費用ゼロで、ニーズや環境に合わせて自由に組み合わせることができる「安く・早く・ちょうどいい」がコンセプトの映像解析プラットフォームであり、これにより、リアル店舗の導線トラッキング、警備業界向け通行量測定サービス、工場内の効率化・異常検知や従業員の導線解析などが可能になる。
現場(エッジ)での映像データ収集と解析向けの「SCORER Edge」、クラウドでの映像解析エンジン「SCORER Cloud」の2つで構成され、「SCORER Cloud」はWeb上でアカウント登録するだけで、即日で映像のアップロードからディープラーニング(深層学習)による映像解析、解析データの管理もできるという。
TISは、今後ニーズが拡大するだろう様々な分野に同プラットフォームを適用して迅速にサービスを提供。SCORERはAI-CVCの出資先によるサービスとも連係させていく構えだ。