NVIDIAは、ヤマハ発動機が、同社の無人農業用車両、ラストマイルビークル、マリン製品などの次世代製品群の共通開発プラットフォームとして「NVIDIA Jetson AGX Xavier」を採用したことを発表した。
ヤマハ発動機では、AI(人工知能)、ロボティクス、エッジコンピューティング向けに作られたJetson AGX Xavierを、同社の無人農業用車両、ラストワンマイルビークル、マリン製品などの次世代製品群の頭脳とすることを計画している。次世代のマシンに不可欠な、オドメトリ、ローカライゼーション、マッピング、画像認識、パスプランニングの処理を可能にするという。
スマートマシンを使ったプロセスの自動化は、日本の高齢者層、とくに農業従事者にとってきわめて重要な課題だ。農林水産省の調査によれば、日本における農業従事者の平均年齢は66.6歳で、人口は2010から30%以上も減少しているという。
ヤマハ発動機は、Jetson AGX Xavierを無人農業用車両やドローンに搭載し、農薬の散布、果樹の収穫、収穫物や機材の運搬などの効率化を進めていく。数年内の市場導入を目標に2019年中にはAIを搭載した、農業用の無人地上車両の実証実験を開始する予定。
また、ヤマハ発動機は、一連の自律型のラストマイルビークルにもJetson AGX Xavier を搭載することを計画。買い物客や高齢者などのラストマイルにおける旅客輸送への活用が期待される。
これらの車両は、タクシーやバスの利用が困難な地方での需要も高まっている。経済産業省によれば、そのような地域含め、全国で700万人以上もの買い物弱者が定期的な輸送を必要としており、その数は年々増え続けている。