2018年の国内エンタープライズストレージシステム市場は、3,147億3,000万円

IDC Japanは、国内エンタープライズストレージシステム市場(外付型、サーバ内蔵型、ODM Directを含む)の主要産業分野別の実績と予測を発表した。2018年の国内市場規模は、前年比1.9%減の3,147億3,000万円と予測する。


同調査では、2017年~2022年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は0.1%、2022年の市場規模は3,222億500万円と予測している。

2017年通期の国内エンタープライズストレージシステム市場規模は、3,208億9,600万円。支出額が300億円を超える上位の主要産業分野は、支出額の多い順に金融、製造、情報サービス、通信/メディア、中央官庁/地方自治体となった。

前年に比べ、通信/メディアと中央官庁/地方自治体の順位が入れ替わる結果となった。金融と中央官庁/地方自治体はクラウドへのシフトが加速したことで支出額が減少し、需要の主な受け皿となった通信/メディアでは、外付型を中心に支出額が増加した。また情報サービスでは、サーバ内蔵型ストレージへ大きくシフトした結果、外付型の支出額が減少しているという。

2018年の国内エンタープライズストレージシステム市場規模は、前年比1.9%減の3,147億3,000万円と予測。外付型に限定すると、同0.4%増の1,736億7,200万円となる。外付型は2年連続で減少していた、2018年はオールフラッシュアレイの出荷が貢献してプラス成長を確保するとIDCではみている。

2022年に支出額が300億円を超える上位の主要産業分野は、支出額が多い順に金融、製造、情報サービス、通信/メディア、中央官庁/地方自治体の5分野と予測。これは2017年と同一の順序だが、2017年~2022年のCAGRでは大きい順に製造、情報サービス、金融がプラス、通信/メディアと中央官庁/地方自治体がマイナスになると予測している。

製造は減少が続いていたが、2017年に底を打ち、プラス成長するとみている。一方、通信/メディアは2017年のプラス成長の反動があり、中央官庁/地方自治体ではオープン化やクラウド利用を含むIT支出抑制の動きがあると予測する。

ストレージベンダーはユーザーに対してクラウドへのシフトを前提とした提案が求められる。IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ マーケットアナリストの加藤 慎也氏は「クラウドへのシフトが加速することで、エンタープライズストレージシステムの産業分野別の支出が大きく変化していく。これを促しているのは、支出モデルの改善要求と、デジタルトランスフォーメーション(DX)へ向けた新たな取り組みである。ストレージベンダーは、産業分野ごとにハイブリッドクラウド化が進むストレージ需要の把握を通じ、最適な製品と支出モデルを提案することによるシェア拡大が求められる」と分析する。