情報通信
AI技術を活用して病害虫の監視業務の効率化
NTTドコモ(ドコモ)は、トマトのハウス栽培圃場(ほじょう)における病害虫の監視業務の効率化を目的とし、Locix(以下、ロシックス)の省電力HDワイヤレスカメラと、NTTグループのAI「corevo」を構成する、ドコモのAI技術を活用した画像認識エンジンを組み合わせて、圃場における病害虫の発生数および種別の特定に向けた実証実験を2018年9月下旬に開始する。
具体的には、圃場に設置された粘着トラップで捕獲した病害虫を撮影し、画像認識による精度を検証する。これまでは農家や農業技術支援を行う指導員が圃場に赴いて粘着トラップを回収し、病害虫の数と種別特定をしていた。今回の実証実験では圃場に赴くことなく、遠隔地から病害虫の発生状況を確認できるソリューションを実現し、今後の監視業務の効率化や収穫量の安定化に貢献する。
実証実験の環境を含め、定点観測目的のカメラなどのIoT機器設置においては、固定電源の確保が困難な場合があり、省電力でこれらの機器を長期間稼働させる技術が求められていた。この課題を解決するため、ドコモの100%子会社であるNTTドコモ・ベンチャーズを通じて、米シリコンバレーにある省電力無線技術の開発企業ロシックスに2018年7月10日に出資した。
ロシックスは、省電力、高精度測位可能な無線技術の開発、および、これらの技術を組み込んだ省電力HDワイヤレスカメラなどの関連ソリューションを提供する企業。同社が提供しているワイヤレスカメラソリューションは、HDカメラ、ハブ、ロシックスサーバから構成され、カメラ~ハブ間において920MHz帯の無線通信を使うことで画像の送信にかかる電力消費を抑え、バッテリーのみで複数年動作することが特徴だという。
また、ロシックスサーバとドコモを含めた他システムが連携することで、今回の実証実験のような取り組みをはじめ、様々なサービスを容易に構築できる仕組みとなっていると説明する。