AI物流、実証試験で生産性を10%上げて市場に登場

人工知能(AI)が研究論文のページやエンターテインメントの世界から飛び出し、実業界でも活用されつつある。いま、さまざまな業種業態で人手不足が深刻な日本では、"働き方改革"や"超スマート社会(Society5.0)"を実現するためにも、AIの実用は喫緊の課題である。


たとえば物流業界――。これまで倉庫内作業における要員リソース計画の策定や要員配置などを行う要員マネジメントは、現場の管理責任者の豊富な経験に基づいて行われていた。けれども昨今の労働者不足や高齢化の問題により、経験豊かな管理者や作業要員の確保が困難になっていて、要員マネジメントの効率化、適正化が求められているという。NECは、「物流リソースマネジメントサービス」を来年1月より提供する。

同サービスは最先端AI技術群「NEC the WISE」により、倉庫内作業における要員のリソース計画や要員の適性に合わせた業務アサイン、作業負荷状況に合わせた動的な要員の配置を実現。これら一連のプロセスを通して、倉庫内の作業品質や生産性の向上を支援する。荷物量予測による要員計画の高度化では「異種混合学習」、要員適性と業務のマッチングでは「RAPID機械学習」、動的要員配置では「自律適応制御技術」を活用する。

今年7月に行った、日通NECロジスティクスにおける実証試験では、要員の計画やアサイン、現場での要員再配置までをトータルで最適化し、特定のエリア・期間にて約10%の生産性向上効果を確認できたという。

AIによる新たな物流リソースマネジメントサービスを今月11日~14日に東京ビッグサイトで開催される「国際物流総合展2018」にて披露する。NECは、社会ソリューション事業に注力していて、デジタル時代に即した新しい働き方を実現するソリューションの提供を通して、企業における業務の効率化や生産性の向上など、"働き方改革"の実現に貢献していく構えだ。