国内エンタープライズアプリケーション市場は5,100億円超

現代の企業経営ではヒト・モノ・カネに加えて情報を管理し有効活用することが肝要であり、そのためのしくみとしてERP/ERMソフトウェアが重宝されている。SCM(サプライチェーンマネージメント)やPLM(プロダクトライフサイクルマネージメント)といったソフトウェアもビジネスを支えている。

それらをまとめてEA(エンタープライズアプリケーション)ソフトウェアと位置付けるIT専門調査会社のIDC Japanは29日、「国内EAソフトウェア市場」の'17年実績と、'22年までの予測を発表した。

'17年は、経営指標の可視化需要および販売管理が好調なERM(リソース管理)ソフトウェアが前年比5.9%増と市場成長を牽引し、EAソフト市場全体では成長率が4.6%、規模が約5,142億円となった。SCMソフトウェアは、大企業のグローバルサプライチェーン需要が好調であり前年比3.8%成長、EAソフトの過半数を占めるPLMでは、サブスクリプション方式の浸透などで市場が回復し、前年比成長率が3.7%増だったという。

同市場は年間平均成長率(CAGR)4.9%で推移し、'22年その規模は約6,537億円に達すると予測。この要因は、来年10月に予定されている消費税の増税と軽減税率導入に関連するシステム対応で、財務や販売管理アプリケーション市場が成長すること、海外拠点へのSCM展開やサービス分野を含めたIT関連投資だとみている。

中堅・中小企業でも生産性の向上が続き、業務の自動化が図られる――。働き方改革関連IT投資が本格化することで、関連ソフトウェア市場への投資が継続し、EAソフトウェア市場では、消費税率変更や働き方改革に関連性の高いERM市場が、引き続き高い成長率を示す。今後はインテリジェントERPが働き方改革の中心施策として、継続的に市場を牽引するという。

EA市場分析の詳細はIDCレポートで確認できる。