建設現場の作業者安全モニタリングシステムを開発、村田製作所

村田製作所は、戸田建設と共同で、建設作業者の健康状態などを遠隔地からリアルタイムに把握できるヘルメット取り付け型センサーデバイスを用いた「作業者安全モニタリングシステム」を開発した。

建設業界では、作業者の高齢化、就労者数の減少が進み、今まで以上に安全で快適な作業環境を整備するニーズが高まっている。特に、暑さが厳しい建設現場においては作業者の自己管理だけでは、熱中症を予防する水分補給や休憩が十分に行えず、体調が悪化するまで作業環境の問題に気付かないことが課題となっていた。

村田製作所によると、今回開発したシステムでは作業者の生体情報をリアルタイムに取得することで、熱ストレスレベルを把握できる。また、健康状態を見える化することで現場監督者が適切な管理を行い、作業者の安全の確保をより確実に行える労働環境の実現を目指しているという。

システムに用いるセンサーデバイスは、既存の作業用ヘルメット(ミドリ安全製)に装着できるように設計しており、作業の邪魔にならない装着感を実現している。また、ヘルメットを装着するだけで生体・環境情報を取得できるため、これ以外にウェアラブルデバイスを新たに身に着ける必要はない。

センサーデバイスはヘルメット内部の生体情報測定部と、作業者周辺の外部環境情報測定部で構成される。それらの情報を、特小無線を利用してゲートウェイに送り、クラウドで独自の判定アルゴリズムによって解析する。

その結果、危険と判断された場合は事務所や現場監督にアラートが通知される。このアラートシステムは建設現場だけではなく、プラントや工場、鉄道保全、電気工事など作業者がヘルメットを装着する現場でも利用できる設計となっていると同社は説明する。