PKIを利用した特許技術で個人情報保護の国際的な要求にも対応

ソフトバンクグループのBBソフトサービスは、クラウド型メールアーカイブサービス「Zenlokアーカイブ」に、企業で利用される全ての電子メールシステムに対応できる新機能を追加した。日本国内の全ての企業へのメールアーカイブサービスの提供を可能にした。

企業の情報セキュリティインシデントは、メールに起因するものが急増している。例えば偽メールによるマルウエア感染やフィッシングによる不正アクセスと情報漏えい、ビジネスメール詐欺(BMC)の送金指示による金銭被害などの外部要因によるものが挙げられる。また、メールシステム利用者の不適切な利用や、従業員が故意に犯してしまう情報漏えいなどの内的要因によるものも大きな脅威として認識されている。これらの情報セキュリティインシデント発生時の原因や事故責任の究明には、メールデータの記録が不可欠だ。

一方で、コンプライアンス違反を防止する内部統制や監査、情報漏えいのセキュリティリスク、関税法やヨーロッパ経済圏の顧客データの管理制度面など、様々な側面からもメールデータの保管の必要性が出てきている。しかし、メールサーバによっては保管できる容量に制限があり、データの保管や削除も従業員任せの場合が多く、メールデータの保管を自動的に漏れなく行う専用メールアーカイブサービスのニーズが高まっている。その際に、増え続ける膨大な量のメールデータを長期保管するコスト負担と保管データの安全性、必要な情報の抽出の容易さが企業にとって重要な課題となっている。

Zenlokアーカイブは、保管データの容量が無制限のため、データの保管にかかるコストが増加する心配がない。また、PKI(Public Key Infrastructure)を利用した独自の特許技術を採用しており、情報漏えいリスクへの対応も可能。さらに膨大なアーカイブの中から必要な情報を抽出しやすい、優れたユーザーインターフェースも備えていると同社は説明する。

Zenlokアーカイブは、従来のOffice 365や「G Suite」などのクラウドメールだけでなく、企業が利用する全てのメールシステムへの対応が可能になった。これは、サービスシステム内にSMTPリレーを行う転送システムを組み込み、Zenlokアーカイブとユーザーのオンプレミス型のメールサーバや、Exchangeサーバとの通信を並行して行う仕組みを構築したことによるもの。これによりクラウドメール以外の企業メールシステムでも、利用中のメールシステムの入れ替えや改修をすることなく、簡単にZenlokアーカイブを導入できるという。

サービス提供価格は、年額で1ユーザー当たり2,400円(税別)となっている。