防災分野を中心としたIoT統合事業で協業、古野電気とエコモット

古野電気とエコモットは、防災分野を中心とした土木構造物や人工構造物の施工管理・維持管理に関して協業し、GNSS自動変位計測システム「DANA」を活用したクラウドソリューションを提供開始した。

今回協業することになったエコモットは、2007年の創業以来、あらゆるモノをインターネットにつなぐIoT専業のソリューションベンダーとして急成長を遂げている企業。融雪装置の遠隔制御や建設現場の施工支援などの分野で各種センサー情報をクラウド上のサーバにデータ収集の上で、データ加工や解析、他のシステムとの連携による業務効率化を図るパッケージサービスを展開している。

古野電機のGNSS自動変位計測システムであるDANAシリーズは、地盤変位や人工構造物の変位をミリメーターオーダーで計測する、定点連続計測システム。その高い精度や耐久性が認められ、火山、地すべり、のり面など地盤やダム、橋梁など土木構造物、人工構造物の建設工事時における変位計測など日本各地で活用されている。

近年は、構造物の施工管理や維持管理においてICT機器が積極的に活用されつつあり、複数のセンサーと接続・データを集約するシステムとして利用したいというリクエストを受ける機会が増えたことを踏まえて、IoTインテグレーションに強みを持つエコモットと協業することにしたと経緯を説明する。

両社が開発した「DANA CLOUD」は、DANAシステムで得られる変位計測データと、現場に設置されている他のセンサー群からのデータをモバイル通信回線(4G)を通じてクラウド上のプラットフォームにリアルタイムに収集することで、全てのデータを一元管理するパッケージサービス。

天候不順な場所での定時/定点計測や地理的に作業員の派遣が難しい場所での広域計測が可能となるため、施工・維持管理現場での省人力化だけでなく、地盤の変位による災害が想定される危険な現場でも安全・安心な計測に貢献できるという。