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12種の感情を分析して最適なフォントへ自動変換、DNPが開発
大日本印刷(DNP)は、テキストデータを自動解析する技術を活用し、文章の内容や感情に合わせて、最適なイメージのフォントを自動的に判別して表示する「DNP感情表現フォントシステム」を開発した。文章中の言葉や絵文字の意味を解析し、その文章を12種類の感情・イメージに分類して、それに最適なフォントに変換して情報を表示する。
近年、SNSや電子メールなどが日常的に利用される中で、声のトーンや表情が直接伝わる会話と比べて、文字によるコミュニケーションは送り手の意図や気持ちが伝わりにくいという課題があった。
DNPは明治時代から続くオリジナル書体「秀英体」の開発などで培ってきた文字表現技術や、印刷会社として印刷物に用いられる多様なフォントやコンテンツを用いたコミュニケーションのノウハウを活かし、文章の内容から伝えたい感情にマッチしたフォントを自動的に判別して表示する「DNP感情表現フォントシステム」を開発した。
このシステムでは、文中の言葉や絵文字を解析し、それらが持つ感情やイメージを12種に分類して、最適なフォントへ自動変換。12種の分類は、安らぎ、穏やか、楽しい、喜び、好き、哀れ、不安、恐怖、怒り、驚き、デジタル(ネットスラング)、ニュートラル(中立)。単語や絵文字が持つ感情やイメージの設定、変換するフォント、使用フォント数はカスタマイズも可能だ。リアルタイプのウェブフォントエンジンと、砧書体制作所、スキルインフォメーションズ、DNPのフォントを使用している。
また、テキストの入力時にリアルタイムで内容を解析し、順次フォントを自動判別しながら、文章全体で感情・イメージを伝えるフォントに変換する。さらに利用者自身が自分の好みのフォントを選択する機能も備える。DNPによると、今後はシステムで利用者のフォント選択結果(ログ)を収集して、さらなる判別精度の向上を図っていくという。