ブロックチェーンをSCMで活用する

一社単独ではなく、原材料の仕入先や工場から販売、消費者に至るまでの関係施設および企業群のすべてでモノの供給連鎖を管理する。IT(情報技術)システムを軸にしたサプライチェーンマネージメント(SCM)は、国境をも越えて物流プロセスを効率化し最適化する経営管理手法だ。

他方、仮想通貨の基盤技術にもなっているブロックチェーン(分散型台帳)は、その改ざん耐性の高さや導入・運用コストの低さから、コミュニティ内での報奨ポイントの付与、知的財産や契約の管理などに加え、船舶等の情報連携や共有のしくみでも活用され始めている。

複数企業をまたいだ情報連携と共有を必要とするSCM領域でもそれが注目されていて、実業務への適用機運が上昇している。が、ブロックチェーンの特長を自社業務でどのように生かせるのか、具体化に苦慮している企業が多いのが現状だという。NTTデータおよび同社グループ会社のクニエは、ブロックチェーン技術を活用したSCM領域の改革に向けた活用支援サービスを27日に開始。

NTTデータでは、米Skuchain社と協業(リリース記事)するなど、サプライチェーンにブロックチェーンを適用するソリューションをグローバル展開していて、クニエはグローバルサプライチェーンにおけるS&OP(セールス&オペレーションプランニング)を中心としたSCM業務改革の豊富な知見・経験を生かし、ブロックチェーン技術などの先進ITテクノロジーを活用した、さらなる改革の推進、業務ソリューションの検討支援をしている。

両社は今回、ワークショップによる理解向上からコンサルティング、プロトタイプ開発、本番導入などを一元的に支援する。このサービスにより、製造業、流通業、商社などSCMに係る企業は、新規事業の創出や既存事業改善において、上流のコンサルティングから本番適用までスムーズにブロックチェーンを活用することが可能になるという。