スポーツイベントにおける災害情報の伝達や避難誘導を可能に

リコーは、総務省による「競技会場におけるICT利活用に関する実証」事業の事業者として採択されたことを発表した。スマホアプリを活用し、音による通信で平常時や災害時の情報提供を実施する。

この事業は、総務省が「平成30年度 競技会場におけるICT利活用に関する調査研究」の一環として公募したもの。2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される各競技会場においてICTを利活用することで、障がいを持った方、外国人来訪者などにも配慮した災害情報の伝達や避難誘導を可能とする仕組みの実証・効果測定を実施し、得られた知見や課題を基に全国への普及展開を目指している。

リコーは、公募の請負主体であるデロイト トーマツ コンサルティングに対して、エヴィクサー、みずほ情報総研と共同で提案を行った。今後3社は共同で、味の素スタジアムおよび武蔵野の森総合スポーツプラザで実証実験を実施する。

実証実験では、スマートフォンやスマートデバイスなどのモバイル端末に事前に応援アプリをインストールし、場内に設置されたスピーカーやビーコンなどから送出される音をモバイル端末のマイクが受信することで、平常時は競技の応援や場内ガイドに、災害発生などの非常時は多言語による避難経路等の情報を表示するなど、災害対応情報を提供するす。

活用するシステムは、リコーの屋内位置情報サービスとエヴィクサーの音響通信技術「Another Track技術」を組み合わせたもの。Another Track技術とは、暗号化したデータを埋め込んだ特殊な透かし音をデバイスが自動認識するエヴィクサー独自の音響通信技術のことだ。これまでもプロ野球での公式試合やイベントなどでサービス提供してきた実績を持つ。リコーは今後も競技会場のみならず、屋内施設や地下施設など多様な環境においても現場で使える情報提供サービスを確立したい考え。