IBMが見据える「デジタル時代の次世代アーキテクチャー」とは?

日本アイ・ビー・エム(IBM)は、AI(人工知能)などの最新技術を活用した業界ごとのデジタル変革戦略として「デジタル時代の次世代アーキテクチャー」を策定した。銀行、保険、製造、石油・化学、小売、運輸、公共、電力・ガス、通信、ヘルスケアなど10の業界を対象としている。

IBMが2018年2月に発表した「グローバル経営層スタディ 守成からの反攻」は、全世界1万2,500人を超えるCxO(最高責任者)レベルの経営層にインタビューを実施し、それらを分析して得られた洞察がまとめられている。この調査では、経営層の72%が「業界内の革新的な既存企業が業界内の創造的破壊を主導している」と報告している。

デジタルテクノロジーの進展は従来の業種、業態の枠を破壊し、テクノロジーを戦略的に活用していかにビジネスモデルを変革できるかが、これからの企業経営において重要な課題となっている。さらに、ビジネスモデル変革を考える上で、従来のフィジカルな顧客接点と、デジタルな顧客接点の双方を最適化していくことが不可欠だという。

今回策定したデジタル時代の次世代アーキテクチャーは、企業が自社だけでなく外部との連携による新たなデジタルビジネスを実現する「デジタル変革」へと進化するためのロードマップを提示し、企業全体の次世代IT戦略を業界ごとにまとめている。

日本IBMでは、デジタル時代の次世代アーキテクチャーに基づき、AIをはじめとした最先端のテクノロジーに対するスキルを生かし、企業の継続的な成長をITの観点で支援していく考え。

例えば、「デジタル時代の次世代アーキテクチャー 銀行編」では、営業店網を中心としたフィジカルな顧客接点とビジネスプロセスを、どのようにデジタルで再構築していくかをまとめ、チャネル高度化、個客志向サービス、業務最適化、エコシステム連携の4つの変革が求められるとしている。

これらの変革を実現するため、APIやマイクロサービスの活用、データサービス基盤の整備、複数のAIを管理してデータを効率よく共有できるAI連携基盤の整備といったIT活用を提示し、ビジネスモデル変革を提案していくという。