画像認識コンピューティングの高知能化をめざす

デジタルトランスフォーメーションおよび第4次産業革命において、画像認識技術は大切な要素の一つとなっている。AI(人工知能)を用いて病変を診断したり、物流/製造ラインで品質検査・管理をしたり、雑踏や制限区域で安全を確保するためにも画像の認識および処理技術が活かされる。

昨今、ネット通販サイトに出品されるモノの真贋もAIと画像解析によって見分けられつつある。また、ネット上に流通する画像そのものについても、企業がするPRなどでは動画が主流となっていて、今後より鮮明で高精細になるそれを如何に加工し、ネットワーク帯域を食い尽くさぬよう広く配信するかといったことなどが課題となっている。

8月21日、「やりたいことをできるに変える」理念のもと、インターネットインフラサービスを提供するさくらインターネットは、AIや画像処理の半導体回路およびソフトウェアを設計するArchiTek社と共同で、画像認識の高知能化に向けた動画加工配信の実証実験に成功したと発表した。

近ごろ加熱している企業における画像解析などを、より効率的に行うために必要な動画加工処理および配信処理を一括して行う手法を考察するものだという。同実証実験では、ArchiTekが開発したFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)上で動作する並列動画加工フィルタ処理を担うIntelligent Pixel Engineと、さくらインターネット研究所が考案したVideo Capture を介したHDMIによる加工済み動画の効率的な配信手法を組み合わせて検証を行った。

今回の実証実験の成功により、画像認識などの解析処理におけるデータ前処理工程を集約し、既存ネットワーク帯域を圧迫することなく、高効率で多数のサーバーへ配信することが可能になり、同時並列処理による画像認識などの計算機の高知能化に向けた一つの処理方式の実現が期待できるという。