この研究開発では、ネットワーク圧縮による演算量削減を中心とした実装技術、自律学習機能の高度化の研究開発を推進し、リソース制約が大きい、端末(エッジ)側への高度自律的学習機能の搭載を実現することを目的とする。空の自動運転実現に向けて自律制御が求められるドローンへの適用により実証・評価するというものだ。
ドローンの自律制御を実現するためには、ドローンの「目」となるカメラやセンサー情報を、ドローンの機体側で解析し、瞬時の判断に基づく飛行制御につなげることが必要。一方、物体識別や姿勢推定、動態追跡、地上の被覆分類など複数の学習アルゴリズムを同時に実装することが要求され、機体のサイズや電力といったリソース制約のある中でこうした要求を実現することが大きな技術課題として挙げられているという。
研究開発では、ドローンの自律化に向けた軽量エッジAIアルゴリズム技術の開発と実装を行う。また、複数の深層学習の実装における「Base Network共通化技術」による演算量低減、高速化し、AIアルゴリズムの演算量低減・低消費電力化のFPGAベースでの実機検証を行う。
エッジの高度自律化に向けては、AI自体が自律的な学習を行う人工意識を開発する。深層強化学習の上に内発的動機を搭載し自律的に学習する機能の実装評価を行う。さらにAIエッジコンピューティングに基づくドローン制御システムの開発、5G通信環境によるエッジ-クラウド連携技術の技術検証などを行う。
KDDIは、AIエッジコンピューティングを用いたドローン自律制御技術の開発、AI/5G連携技術の開発・システム検証を実施。アラヤは、AIエッジコンピューティング技術の研究開発と人工意識による高度自律的学習機能の開発を行う。また、東京大学 大学院情報理工学系研究科 國吉研究室が、アラヤの再委託としてプロジェクトに参画する。