2017年国内CRM市場規模は1,056億4,900万円、IDC調査

IDC Japanは、国内CRM(顧客関係管理)システム市場を調査し、2017年の同市場の分析と2018年から2022年の市場予測を発表した。2017年国内CRM市場規模は、前年比成長率10.1%増、1,056億4,900万円で、セールス/マーケティングアプリケーションが市場成長を牽引し1,000億円を超える規模となる。

IDCでは国内CRM市場を「コンタクトセンターアプリケーション市場」「カスタマーサービスアプリケーション市場」「マーケティングアプリケーション市場」「セールスアプリケーション市場」の4つの機能市場に分類して、それぞれの市場予測を行った。

2017年の国内CRM市場規模は、前年比10.1%増の1,056億4,900万円になった。同市場の中でも、マーケティングアプリケーション/セールスアプリケーション市場は、消費者/ビジネス顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進み、顧客体験をデジタルで創造する需要が高まっていること、一部のベンダーでM&Aや製品機能の評価を変更したため、両市場が国内CRM市場全体の成長を牽引した。

一方、コンタクトセンターアプリケーション市場は、2016年のマイナス成長からは回復したものの成長率は低く、前年比2.9%増となった。またカスタマーサービスアプリケーション市場は大型案件が少なく、2017年は2016年に続きプラス成長を維持したものの、成長率は3.9%となった。

IDCでは、2018年以降の国内CRM市場は、DXの顧客への浸透やAIシステムとの連携、AI機能のCRMアプリケーションへの組み込みなどの要因によって、2017年~2022年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は6.2%で成長し、2022年には1,430億3,600万円の規模になると予測している。

IDC Japan グループディレクターである眞鍋 敬氏は「国内CRMアプリケーション市場が今後も堅調な成長を継続するために、ITサプライヤーは、既存CRMアプリケーションへのAI適用、CRMアプリケーションの中堅中小企業への導入の促進、およびデジタルネイティブ企業(DNE)に適合する評価指標の開拓を行っていくべきである」と分析する。