デジタルトランスフォーメーションに取り組む日本企業は5割超

IT(情報技術)の浸透が人々の生活をより良い方向に転換する概念「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が提示されてから15年近くになる。いま、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」や人工知能(AI)など先進技術が、社会インフラや医療、産業の様々なしくみに浸透しつつある。

そこで、IT専門調査会社のIDC Japanは、国内企業のCIOや情報システム部門長またはそれに準じる立場の管理者を対象として、国内企業のIT投資動向に関する調査を行い、その分析結果を9日発表した。'18年度のIT支出計画は、前年度比で「変わらない」とする企業が6割を超えている。が、大企業/中堅企業ではその割合が5割未満だという。

一方、「増加」が大企業では39%、中堅企業では25%に達し、ともに「減少」を上回っている。労働人口の減少や人材不足を背景に、大企業/中堅企業ではITの積極活用による業務の効率化や、働き方改革に取り組む動きが強まっていると同社はみている。

産業分野別では、通信/メディアと金融でIT予算の拡大傾向が強く、、政府/公共は「増加」が「減少」を上回るものの、「減少」の割合が3割近くに達し、二極化の傾向が見られる。投資領域をみると、大企業では、パブリッククラウドサービスや外部データセンターサービスを利用した割合が3割を超えている。

そしてDXに取り組む企業は半数を超え、大企業を中心として、金融と情報サービスの取り組みが先行している。また、業務部門が独自に管理するIT予算のある企業は、大企業ほど多く9割超。その一方で、「IT投資対効果の可視化」や「IT戦略策定/企画力の向上」を課題とする大企業が多く、外部パートナーのサービスを幅広く必要とする傾向も強くなっているという。

国内ITサービス市場の現状等も含めて、「2018年 国内CIO調査:ITサービス/アウトソーシング利用実態」にて詳細を確認できる