2017年ビッグデータ分析ソフトウェア市場は前年比9.4%の高成長

IDC Japanは、国内ビッグデータ/アナリティクス(BDA)ソフトウェア市場を調査し、2022年までの同市場の予測を発表した。2017年の同市場の規模は2,517億7,600万円、前年比成長率9.4%の高成長となったという。

今回、IDCではBDAソフトウェア市場を「分析情報管理/統合基盤」「BI/分析ツール」「パフォーマンス管理/アナリティクスアプリケーション市場」の3つの中分類市場と中分類市場に含まれる16の機能別市場に分けて市場規模予測を実施した。

これによると、2017年の国内BDAソフトウェア市場は、前年比9.4%増の高い成長率を記録し、市場規模は2,517億7,600万円となった。データウェアハウスなどのプラットフォーム分野から、CRMなどのアプリケーション分野までパブリッククラウド上のサービス利用に弾みがついており、市場の拡大に貢献していると同社は分析する。

今回のレポートにおける2022年までの予測期間において企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)への投資がBDAソフトウェア市場の拡大にポジティブな影響を与える。企業がDXを高い生産性を持って実行し、デジタルネイティブ企業に対抗する競争力を実現するためにはBDAソフトウェアを中核に据えた意思決定中心型のアーキテクチャを持つDXプラットフォームが求められる。

DXプラットフォームを実現する中で「Hadoop」や「NoSQL」などのノンリレーショナル分析データストア、コグニティブ/AIソフトウェアプラットフォーム、コンティニュアスアナリティクスソフトウェアなどに特に多くの投資が行われると予測する。

国内BDAソフトウェア市場規模は2022年に3,800億2,400万円となり、2017年~2022年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は8.6%になるとIDCでは見込んでいる。

IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ シニアマーケットアナリストである草地 慎太郎氏は「デジタルトランスフォーメーションを推進する企業はデジタルビジネスにおける競争力を保つため、DXプラットフォームと呼ばれるBDAテクノロジーを中核とした社内外のリソースと繋がる新たなITアーキテクチャに取り組んでいく必要がある。サプライヤーは分断化された個別システムの提案に留まらず、中長期的な視点で企業全体を支えるプラットフォームを提案し、顧客のDX活動をサポートしていくことが求められる」と分析する。