国内個人向けオートリース市場は成長期へ突入

車は買うべきか、買わざるべきか――。シェアリングエコノミーが野火のように広がりつつある今、その悩みはいっそう深くなっている。車そのものが好きなのか、運転が好きなのか、あるいは両方、はたまた所有することに喜びを感じるのか、多様化する嗜好と志向にオートリースが応えている。

日本国内の個人向けオートリースについて、矢野経済研究所は、関係企業への直接取材と3万人超の一般消費者へのアンケートを通して、同マーケットの現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。

個人向けオートリース車両は今年3月時点で約25万7千台(日本自動車リース協会連合会データ)となり、前年同期比で120%超え、その成長は加速している。法人リースを含めた国内オートリース車両は約360万台であり、このうち個人向けが約7%を占めるまでに成長した。

労働人口減少を背景に、法人による保有台数は減少傾向にあるものの、社用車のリース化率が上昇? 法人向けオートリース車両は近ごろ年率3%程度の成長率を保っている。一方、現在66%が新車購入時に現金一括払いを選ぶ個人による保有台数は上昇(自検協データより)を続けていて、その潜在需要の裾野は広いという。

成長の牽引役は、専業オートリース会社と提携して個人向け商品販売に進出する市中の整備工場やガソリンスタンド、中古車販売店などで、本業の売上を補完するリースという新たなスキーム(車両を販売するしくみ)を得たことで、新車販売市場に参入可能となり、顧客の囲い込みが出来るようになった。

個人向けオートリースは、期中整備を含めたメンテナンスリースが主流となっているため、非ディーラー系事業者の競争力を高め、新規参入組の増加によって今後さらに市場が活性化するだろう。'22年度の個人向けオートリース車両は93万6千台が見込まれる。同市場の商品を徹底解剖した、詳細は同社の調査レポートで確認できる。