CO2排出量を約6万t削減する、ガスタービン入換え期間を24日減

地球の温暖化対策を推進する。2020年以降の気候変動問題にあたる国際的な枠組み『パリ協定』を批准した日本は、他の締結国とともに、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」

「そのため、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半にはその排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる」(引用:資源エネルギー庁Web)長期目標を共有している。世界の国々は、電力なしに文明も産業も維持できない。ゆえに発電事業および施設では、温室効果ガスの低減に向けたさまざまな取り組みが進められている。

8月6日、三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、東京電力グループで火力発電・燃料事業を担う東電FPが千葉県で運営する富津火力発電所2号系列の発電設備換装工事で、当初計画比で約15%となる24日間の工期短縮を実現――定格出力12万kW級の高効率ガスタービンH-100形の入換えに際して、重量物の運搬効率化や試運転の段取り改善を推進し、通常180日間の作業を156日で完了したことを公表した。

定格出力112万kW(16万kW×7基)のLNG(液化天然ガス)焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電施設について、'16年2月からガスタービンならびに蒸気タービンの更新を順次実施していて、24日の工期短縮は、このほど完工した最新の第4軸換装工事で達成。これにより全7軸のうち5軸の換装が完了した。今回の換装により、第4軸の発電効率は47.2%から54.3%へ飛躍的に向上し、年間燃料費を約13億円低減するとともにCO2排出量を約6万t削減できる見込みだという。

MHPSは、今後も、市場の多種多様なニーズを的確に捉え対応しながら、電力の安定供給に寄与するとともに、エネルギーの低炭素化を促進し、地球環境の保全に貢献していく構えだ。