ブロックチェーンで安全安心のマーケティング・データ監査基盤を築く

ビットコインなど仮想通貨の信用を支えるブロックチェーン(分散型台帳)技術はいま、データの改ざんが非常に困難であることなどから知的財産や契約の管理、機微情報を扱う医療・ヘルスケア分野にも活用の幅を広げつつある。

日本では現在、第5期科学技術基本計画に示された「超スマート社会(Society5.0)」の実現に向け、産官学が一体となって、同社会サービスプラットフォームに必要な技術が研究開発されている。技術はたとえばコネクテッドカーや自動運転にも要するサイバーセキュリティであったり、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)であったり、IoTやSNSなどが生成する膨大なデータ(ビッグデータ)の解析だったりする。

近未来の社会では、企業や団体が有する多様なデータの連携促進、それぞれの異なるデータを連携させ活用することが、サービスやインフラの利便性向上、新サービスの開発などにつながる。が現状、データをマーケティングに利活用する際には、個人情報の取り扱いやプライバシーの保護、情報流出対策等、コンプライアンスへの万全な対応と配慮を求められるため、企業間でのデータ連携はあまり進んでいないという。

博報堂DYホールディングスNTTデータは8月6日、マーケティング領域にブロックチェーンなど分散型台帳技術を活用した新たなビジネス開発および社会実装を加速するため、協業を開始した。その第一弾として、生活者の情報・購買行動データや価値観などの意識データや、クライアント企業の顧客データなど多様なデータを「生活者DMP」上で安全に扱う分散型台帳技術による"データ監査基盤"の構築を目指すという。

両社は今後、同基盤の技術検証を本格化し、"生活者データ・ドリブン"マーケティングに資する生活者DMPでの取り扱いデータや利用企業の拡大を図るとともに、企業間のデータ連携促進や新ソリューションの開発を行っていく構えだ。