事業者データセンター新設は順調に拡大、IDC調査

IDC Japanは、2018年2月に実施した国内データセンター(DC)管理者調査の結果を発表した。国内DC管理者301人にアンケートを行ったもので、建物、電気設備、空調設備、機械設備など主にデータセンターファシリティへの投資やその運用課題などについて調査した。

回答者は、金融機関や製造業などの一般企業が所有する企業内DCの管理者が242人、ITサービス事業者や通信サービス事業者などが所有する事業者DCの管理者が59人だった。

事業者DCでは、38%の管理者がデータセンターやサーバルームの新設予定があると回答したのに対し、企業内DCの管理者のうちデータセンターやサーバルームの新設予定があると回答したのは9%にとどまった。

既存のIT資産を事業者DCやクラウド環境へマイグレーションする取組みが加速しており、事業者DC新設の必要性が大きい傾向にある。また、ソーシャルメディアやスマホアプリのようなネットを使った新たなサービスを提供するためのクラウド拠点の需要拡大は、DC建設投資を加速させる大きな要因となっている。

この調査は2012年から毎年実施しているが、2014年から今回調査の2018年の過去5年間の調査結果を見ると、事業者DCの新設予定ありの比率は、上昇と下降を繰り返している。2017年時点における新設予定の見通し(43%)から、今回調査時点の新設予定見通し(38%)へと大きな変化はなかった。

新設されるデータセンターでは面積当たりの消費電力(電力密度)が上昇することが見込まれることも、今回の調査で分かったという。「今後新設されるデータセンターでは消費電力と発熱量が増大することが予想される。新設データセンターにおける省電力性能と冷却能力が課題となる」と、IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの伊藤 未明氏は述べている。