HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)とは、食品製造上の危害要因(ハザード:Hazard)を分析し、特に注意すべきポイント(CCP:重要管理点)を中心に管理することで、食の安全を確保する管理手法。食品衛生法改正により、食品等事業者はHACCPを計画し順守することが求められる。
MURC、TIS、DNV GLの3社は、今回の協業で食品安全管理に関する教育コンテンツとコンサルティング、および認証取得までのアセスメント・トレーニングを提供する。
具体的には、TISはがHACCPに関する問い合わせができる相談窓口の開設と衛生管理の知識習得のための教育基盤を提供し、MURCは制度遵守に向けた具体的な解決策を誘導する個別コンサルティングの提供、DNV GLは個社別に必要な認証取得までの支援を担当する。
これまで日本のHACCP導入率は30%程度と、欧米各国に大きく後れを取っていた。東京オリンピック・パラリンピック決定を契機として、食の安全に対する機運も高まり、2018年6月13日に食品衛生法の改正法が公布された。
本改正の目玉であるHACCP制度化によって影響を受ける食品等事業者の範囲は広く、かつ事業者は離島を含め全国各地に点在するため、正確な情報が伝わらない、必要な情報が行き届かないなど、情報格差が懸念されている。
そこで、3社は「何から始めたらよいのか分からない」「現在の運用をどう変えたらHACCPに対応したと言えるのか」などの悩みに対して、短期間かつ低コストに情報が入手できる環境としてWebサイトを開設することにしたという。
HACCP相談窓口Webサイトでは、申込をするとHACCPに関するお役立ち情報と無償教育コンテンツが表示される。初回は「外食産業・食品工場におけるアレルゲン管理」や「食品事故発生時のリコール回収・メディア対応」の2コンテンツを提供し、今後はお役立ちの情報も含めて情報を拡充する予定。また、申込フォームのフリー入力欄に困り事を記載すると、専門家よりの回答があるなど、HACCPに関する総合相談窓口を提供していく。