フィンテックAIにて音声記録を高精度検出、生産性向上へ

近ごろ金融とIT(情報技術)の融合による「フィンテック」の展開が加速している。デジタル革命によって利用者へのサービス向上をめざすほかに、産官学を挙げて「働き方改革」を推し進め、生産性を世界トップレベルに引き上げようとしているこの国でそれは必須だ。

ゆえに金融庁は昨年、フィンテックを活用したイノベーションに向けたチャレンジを加速させる観点から、「FinTech実証実験ハブ」を設置。そして今年8月1日、三井住友フィナンシャルグループおよびSMBC日興證券は、情報の輝く価値の実現をめざすFRONTEO社とともに、上記実験ハブにおける人工知能(AI)技術を用いた通話録音記録確認の高度化・効率化の実証を完了したことを発表した。

SMBC日興證券では顧客から電話で寄せられる膨大な話を記録し、それらを人が点検している。そこで今回、「通話録音記録からのお客さまのご意見・お申し出のチェック業務」を対象に、「通話記録から決められた時間内で『正解=チェック業務で見つけるべき記録』を何件見つけ出せるか」を、FRONTEOのAIエンジン「KBIT(キビット)」を用いた新方法で試験。

ランダムに正解があらわれる記録を人のみでチェックした場合と、KIBITがスコアリング(点数付け)し、優先順位が付けられた記録を人がチェックする場合での検出精度や生産性、作業の標準化率などを定量的に比較測定した。結果、現行方法の正解検出率40%に対して、AIによる新方法では75%。高精度を実現した。時間当たりの正解検出件数は現行4.0 vs.新方法7.5。生産性向上率は新方法が188%アップだったという。

今回の成果ならびに金融庁の見解を踏まえ、SMBC日興證券では、今後もチェック業務におけるKIBITの利用を通じた業務生産性の向上と、「お客様本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)」の実現との両立を目指していく構えだ。