近ごろ日本では、ネット通販の隆盛等による貨物の増加や多様化、少子高齢化等によるドライバー不足などを背景に、トラックドライバーの待機の長時間化や入出荷作業員の稼働負荷増大、荷待ちトラックによる渋滞の発生、過積載といった問題が生じている。
荷待ち時間対策法令の強化や補助金制度の創設など、問題解決への機運が高まっているという。CECは、これまでにETC2.0対応クラウド型車両認識サービス「CaoThrough™」で得たノウハウを基に、物流現場の課題を解決するしくみ「LogiPull」を開発。これを9月より提供する。
「LogiPull」は、工場や物流拠点のトラック積降に関わる「バース予約管理」、「車両入退管理」、「車両誘導」「バース実績管理」の4つのシステムからなる物流ICT(情報通信技術)ソリューションであり、次のような特長を備えているという。
・ 4システムが連携し、構内物流の車両の流れを"計画"から"実績"まで一元管理。
・ 各システムを個別導入、費用に応じた組み合わせや段階的な導入も可能。
・ クラウド環境を活用することで、円滑導入が可能。
・ 車両管理の自動化や精緻な情報収集用に、多彩なデバイス(ETC、カメラ、バーゲート、満空センサー、電光掲示板など)を活用可能。
たとえば「バース予約管理サービス」では、車両来場を分散して、ドライバー待機時間を削減、トラック渋滞を緩和、予約情報の活用により事前準備を容易にして入出荷を効率化、構内作業員の稼働を改善といった効果が期待できる。
今後同社は、受付業務の省人化や実績管理での在庫情報との連携といった「LogiPull」の機能強化を予定。荷積み・荷降ろしの自動化や積載最適化に向け、屋内位置測位・動線管理システム「RaFLOW」や作業動態管理システム「SmartLogger」との連携も進め、物流を効率化するサービスとして拡充していく構えだ。