近鉄、AIを用いた訪日外国人向け観光案内サービスの実証実験を開始

近畿日本鉄道(近鉄)、西日本電信電話(NTT西日本)、日本電信電話(NTT)は、複数のAI(人工知能)を組み合わせた新たな訪日外国人向け観光案内サービスの商用化に向け、近鉄奈良駅にて2018年8月10日まで実証実験を実施する。

実証実験では、多くの外国人観光客が訪れる近鉄奈良駅にNTT西日本がWi-Fi環境を構築、NTTが画像認識 AI機能「かざして案内」と対話AI機能「チャットボット」を組み合わせた「マルチモーダル・エージェントAI」を提供し、利用頻度、コンテンツ満足度、ネットワークを含むICT環境の快適度などを分析し、商用化に向けて検討を行う。実証実験においては、英語・中国語(繁体・簡体)に対応する。

実証実験では、対話や画像に対応したコミュニケーションツールにより、訪日観光客の様々な困りごとの解決を目指す。テキストチャットやメニュー選択によりQAを回答。コインロッカーやトイレなどの構内の設備、運賃などを説明する。また、チラシやポスター、ガイドブックに掲載されている奈良の観光名所画像にスマートフォンをかざすと、ルート案内等詳細情報を素早く確認できる。

近鉄は、スマートフォンを利用する案内サービスへの外国人観光客のニーズ、有効性の把握を行う。NTT西日本は利用シーンに応じた観光案内ソリューションの妥当性の把握。NTTはマルチモーダル・エージェントAIの利用実態、求められる機能の把握や分析を行う。

実証実験を通じて得られた技術を、近鉄が推進する「シームレス案内」のプラットフォーム基盤として活用することで、「言語に依存しない直感的な観光案内の実施」「駅係員や観光案内コンシェルジュの業務支援」「収集データ分析による満足度の高い観光動線の提案」の3点につなげ、新たな観光案内サービスの実現を目指す。

シームレス案内とは、年齢・言語を問わず、全てのユーザーに鉄道サービスを円滑にご利用頂くためのご案内サービスのこと。